なぜ?わがままな子どもの方が思いやりの心が育つ?

幼いうちは、わがままなほうがいいんです!

わがままとは、自分の感情を素直に出していることだから。

自分の感情を騙して生きるなんてもったいないことです。

自分の感情に素直に生きることで、必ず他人と衝突します。

他人と衝突してはじめて、自分と他人との違いに気づきます。

「自分の当たり前と他人の当たり前は違う」ということに気づきます。

友達と、より楽しい時間を過ごすためには、自分の感情を素直に伝えることと同じくらい、友達の素直な気持ちを大切にしなきゃって気づきます。

思いやりの心は、そうなってはじめて育まれます。

「友情」ってやつですね!

自分の感情を抑えて、他人の感情を思いやることでは、本当の思いやりは育まれません。

「自分ファースト」でなきゃいけないのです。

「そんなこと言っちゃ行けないよ!相手がどう思うかよく考えてごらん!」
などと、親がよく子どもに注意するのを見かけますが、「私はちゃんと子どもをしつけていますよ」という親自身がどう見られるかを気にしたパフォーマンスにしか見えない時があります。

子どものためになっていないということです。

「自分ファースト」で考えると・・
まず、その子どもが「言われて嫌だったこと」など体感をともなう経験を何度もしている必要があります。

自分もあの時にあのように言われて嫌だったという感情が蘇るのです。
だから、他人も同じようにそう言われると嫌だろうという想像力が働きます。

自身が経験していないまたはそう言った経験が乏しい子どもに、「相手の立場に立って考えてごらん!」というのは、「育む前に教える」という詰め込み教育に似ているように思います。

「転んだら痛いからこの杖を使いなさい」と言っているようなものです。
まだ失敗もしていないのに失敗しないように先回りした教育です。

想像力は、「自分もそう感じるからきっと他の人たちもそう感じるに違いない」という「自分ファースト」から始まります。
それが、思いやりの第一歩。
思いやりの第一歩は、「自分もそうだから、きっと他の人たちも・・」という、わがままな思いやりなんです。

「自分もそうだから・・」という思いやりの心は、ほとんどの状況で他者から受け入れられます。
しかし、わがままな思いやりだけでは、より良好な人間関係は作れません。

「君がそうだからって、僕もそうだとは限らないだろ!」って言われちゃうんです。

そして、「自分の当たり前と他人の当たり前は違う」ということに気づきます。
そこからが、本当の思いやりだと思います。

他人の感情を恐れて、自分の感情を騙して生きていては、本当の思いやりの心は生まれません。

「あなたファースト」ではダメなんです。

「あなたファースト」の心の中では、
「私は自己主張を抑えてあなたに合わせて生きている」
「それなのに・・どうしてあなたは私の気持ちをわかってくれないの?」と思っているのです。

自分の感情や主張を抑えて相手のことを思いやっているつもりになっているけど、本音では相手に自分のその感情や主張をわかって欲しいと甘えているのです。

自分の心が満たされていないのに、相手の心を満たすことはできない。

「自分ファースト」で自分のわがままをたくさん聞いてもらい、酸いも甘いも身をもって経験した子どもは、心の器が大きく育ちます。
そして、大きな器にたくさんの思いやりの心が満たされます。

私は、なぜこんな偉そうなことを書くのか?

それは、子どもたちが私の子どもの頃のように育って欲しくないからです。

私は、幼少期まで「正人くんは良い子だ」と言われ育ちました。「良い子でいると褒められる」「良い子でいたい」「良い子であるべきだ」と、頑張って良い子を演じてきました。

幼少期に「わがままはしちゃ行けない」と自分を抑えていたのです。

そして、思春期になって、わがままをせき止めていた防波堤が決壊したのです。

その反動からいじめっ子になりギャングに憧れ悪さをしたのです。
まるで、「正人は悪い子だ!わがままだ!」と誰かに叱られたかったかのように。

その話はまたいつか・・

美術教室は子どもの素直な心を大切にします。

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わがままで始まる共同制作も、時間とともに相手との距離感をつかみ相手の気持ちを想像しながら発展していきます。

幼少期のわがままは大ごとにはなりません。子どもの感情を抑え込み良い子にパッケージングすると・・・思春期になり、私のようにその感情が溢れ出ると手に負えませんよ〜〜〜〜〜

「子どもはわがままなくらいがちょうど良い!」でした。


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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。