こんにちは。東京、神奈川で3教室(向原金、アトリエピカソ、たちばな)担当をしています、笠木桃子です。
今日の幼児のレッスンでは、「シミちゃん大変身(オートマティックからの発想)」を行いました。年少さんと年中さんのクラスです。絵の具をポタッと垂らして、「ほら、ぽたぽたちゃんだよ。おやすみなさいしようね。」とコピー紙をおふとんに見立てて絵の具の上にのせ、手でよ~くなぜなぜします。
「あら?ぽたぽたちゃん、変身しちゃったみたい!何になったかな??」
紙を回していろんな方向からみせると、すぐに子どもたちから声があがります。
ワニにみえる! 鳥に見える! などいろいろです。
子どもたちが早くやりた~い!!!と大合唱。スプーンでポタッと絵の具を垂らし始めました。好奇心からスケッチブックを揺らして絵の具が転がるのを面白がっている子もいます。色が混ざることを発見して美しさに感動している様子も見られます。子どもの反応は様々です。その各々の発見や感動に気づき、一緒に喜び、共感するのが私たちの役目です。
子どもが目を見開いて喜べば一緒に目を見開きます。発見したヒミツを内緒話してくれたおともだちには耳元で内緒話で返します。教師は子どもの鏡のようなものだと思います。
絵の具を垂らしたあとは、一度落ち着かせてから、【何かに見えるかな?】 ゲームです。【何に見える?】ではなく、【何かに見える?】と聞くのです。何かに見えたら面白いけど、何かに見えなくてもいいのです。
「見つけたら教えてね。」と言ってるそばから、「見つけた!○○に見える!」と宝物を見つけたように喜ぶ子どもたち。
私が小学生のころ、部屋の天井の木目がなにか生き物のように見えてきたり、小学校の壁のシミが何かに見えて動いているようで気になってしまったり、その不思議な感覚に包まれる楽しさをしっかり思い出せるほどに覚えています。
今日の「シミちゃん」も子どもたちにとっては、とてもシュールで楽しい体験だったかもしれません。
かの有名な画家、ジョアン・ミロ(スペインの画家)も壁のシミから発想を得て作品を制作したと言われています。きれいに切り取られたハートや星からは、発想は生まれません。しかし、曖昧模糊とした不定形の形からは、いろんなイメージ、発想が生まれます。
私たちは【完成】した形ではなく【未完成】のような形にこそ、頭と心を刺激されるのです。そしてそれは子どもたちの日常生活や目にしているもの、耳にしていること、興味のあるもの、好きなもの、などいろんな情報から引き出されたヒラメキであり、その子自身の大切な発想です。
子どもたちの作品を見ていると、そのやわらかで純粋な頭と心に驚かされます。
私もそこそこ柔軟な発想ができる方だと思っていたのですが・・・子どもたちには完敗です。子どもたちは大人には全くそうは見えないものについても、自分が見つけた宝物について、興奮しながら話をしてくれます。まるで名前のないぽたぽたちゃんに名前をつけてくれているようです。
子どもたちの話を聞いていると、ぽたぽたちゃんが堂々と名前をもらって、動き出すような気がしてきます。みんな、今日もありがとう!そんな気持ちでいっぱいです。
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PROFILE
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武蔵野美術大学 油絵科卒
芸術による教育の会教師
子どもたちの面白い、ふしぎな発想が大好きです。美術を通して子どもたちの世界をたくさん知りたいと思っています。
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