初めて所有した車は後輩からもらったトヨタカローラでした。 もらったというより、「ちょっと借りていい?」って毎日借りていたら、「先輩、その車あげます。」ってことに。(立場が逆でしょ!)
約一年乗って、明日で車検が切れるという前日に電柱にぶつけてしまい、後に奥さんになる助手席の彼女のおでこをぶつけてしまいました。(まだ、忘れずに覚えているようです)
何とかあと1日乗って、解体屋さんに持っていきました。解体屋さんに着くとその場でエンスト。何と、ガス欠でした(ちーん)。
フロントがボコッと凹んだ車を1万円で買い取ってくれました。
大学3年生にとって1万円は大きい!
その1万円、本来なら後輩に「ありがとうございました!」とお返しすべきお金ですよね!だけど私はバイトでコツコツ貯めたお金と合わせて、19万円の中古の三菱ミラージュを買うために使ってしまいました。
20万近くを自分のお金で、しかも現金で支払うなんて人生で1番高価な買い物でした。
消耗品の交換は全て中古品で賄いました。
自分でできる整備はもちろん自分でやりました。
タイヤがツンツルテンだったので、滑らせて遊んだりしました。
「楽しかったなあ・・」「バカだったなあ」
フェルポンプが壊れてガソリンが噴き出したこともありましたが、修理して乗り続けました。
最後はエンジンのクランクシャフトが折れて、車生を終えました(ちーん)。当時は10万キロメートルで0に戻るメーター表示でした。すでに一回りし4万キロを指していました。
次に買ったのが中古のダイハツシャレードリッターディーゼル43万円。
「俺もこんな高価な買い物ができるようになったか!」と誇らしい気持ちになったのを今でも覚えています。燃費が素晴らしく、当時軽油が1リッター50円前後で、リッター20キロは走ったので、当時の生活においては最高の車でした。
私は、いわゆる車好きではないのですが・・一台一台大切に壊れるまで乗り続けてきました。
今乗っている車は、森高千里がコマーシャルをしていた日産ラフェスタです。ほとんど仕事用に私一人で乗るのですが・・・「家族でお出かけに行くときの事も考えて!」と妻の強い要求には勝てず、女性好みのファミリーカーポイのですが世界平和より家族の平和が大切な私は、喜んで購入しました。まだ下の娘が4歳くらいだったかなあ?サンルーフが付いているのがお気に入りで、「この車楽しい!」って言ってくれたので、私もだんだん愛着が出てきました。
そのラフェスタも10年と半年が過ぎ、走行距離は19万キロメートル。なんだかもうそろそろかなあ・・・半年後の車検まで持つかなあ?と寂しい気持ちで乗り続けています。
先日、次に購入する車を探しにカーディーラーに行きました。
BMWミニクラブマンのディーゼル、スバルのフォレスタ、マツダのCX-5ディーゼルが気になっています。
どれも、私にはお高いです!
「モノより思い出」って、使うのなら家族旅行などに使いたい!
でも、最寄のトレインステーションまで徒歩2時間の田舎町に住む私にとっては、車は必需品です。これがないとおまんま食べられまへん!
そして、私にとっての車は私や家族を運ぶためだけの道具ではありません。ワークショップなどで紙コップ2万個を積んだり、大きな作品を積みます。車がないとアート活動も制限されてしまいます。だから、荷室の広さにもこだわりがあります。
クラブマンはかっこいいですね!キッズごころが騒ぎます!パワーもあるし何と言っても機敏で、運転するのが楽しいです。これを買うと仕事そっちのけで無駄に走りに行きそう!
スバルのフォレスタは、何と言ってもアイサイト3.0搭載で安全性が素晴らしい!パワーも乗り心地もバランスがイイ!毎週一回、高速道路を横浜まで約90キロの道のりを往復しますから、安全は家族のためにも最優先です。
CX-5は、こだわりがユニークで面白い。チャレンジしているところが不安でもあるけど魅力でもあって、個性的な子どもに魅力を感じるようなワクワク感と応援したい気持ちをくすぐります。
試乗をすると、当たり前ですがラフェスタとは大違いケタ違い!3台ともにパワーも乗り心地も最高にすばらしい!
うう〜うう〜、選べない〜
試乗を終えて、ラフェスタに乗り込むと・・ラフェスタのエンジン音が何だか寂しそうな音に聞こえます。
「そうか!試乗しているのを見ながら不安な気持ちで待ってたんだね!」
「長い間ありがとう!」「どういたしまして、こちらこそありがとう!」そんな言葉を心でかわし、ハンドルをぎゅっと握りしめたのでした。
8月には車検が切れます。
最近、ちょこちょこかかる修理費もかさんできています。
そろそろ買い替えどきとはわかっているのですが、私は長い付き合いで愛着のあるものを捨てられません。
「たかだか道具」とはわかっているのですが・・・捨てられません。
古くなった文房具一つですら捨てられないのですから。
ボールペンのノック機構が壊れても自分で修理します。もちろん、リフィルを交換して何年も同じものだけを使っています。
使い慣れた道具は愛着があるので、決して失くなったりしません。決して家出もしません。
どこかに忘れても、どこかで落としてしまってさえ、必ず私の手元に戻ってきてくれます。それには家族も友人たちも驚きます。
物に愛着を持つとその物もその愛がわかるようです。
お気に入りの財布は、居酒屋で飲みすぎた帰り道に3回も落としました。
なんと3回とも、中身を守ったままで私の元に戻ってきてくれました。(そもそも、愛着があったら3回も落とさないだろうってことではありますが・・)
しかし、愛着を持てないものは、所有していることが罪悪感でもありストレスに感じます。
視界に入るだけで、「僕には君の面倒を見られないよ。ごめんね。」という気持ちになってしまい、すぐにさよならしてしまいます。
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なぜか「車」は性能では割りきれない、自分自身に推進力を与えてくれる「器」として、人それぞれの無意識に特別な意味と特別な存在になっているのかもしれません。
もう一回車検を通して、後2年このラフェスタとお付き合いしようかなあ・・・?
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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