小学6年生はじめてのバイトと挫折ー子ども達へかけた言葉が鏡のように跳ね返り自分を癒す。「ありがとう!」

はじめてやったバイトは小学6年生で始めた新聞配達です。

早起きには自信がないので夕刊のみでした。約100件くらい配達するのです。
はじめて一週間は、中学生の先輩に教わりながらの見習いでした。

乗ったことがないほど大きくて重たい自転車に乗って見慣れない場所まで配達に行くのです。

始めてから2ヶ月が過ぎたあたりで、数名の中学生に囲まれました。
小学生のくせに新聞配達などして生意気だというのです。

自分の知らない街での出来事です。今思うと大したことではないのですが、小学生にとってのあの時の恐怖は、戦場で敵に捕まったかのような大きな出来事でした。

私は子どもの頃からルーティーンワークが苦手でした。何をやっても長続きせずに飽きてしまうのです。簡単にいうと根性がないのです。
大人になった気持ちを味わいたくて始めた新聞配達のアルバイトですが、3ヶ月も続かずに辞めてしまいました。一週間優しく教えてくれた中学生の先輩に申し訳ない気持ちでした。
今思い出せる、はじめての大きな挫折の経験です。

二度目のバイトは中学二年生の時です。
なんと・・・
またまた新聞配達です。何を思い何故それを選ぶ?

心理学を学ぶ今ならその理由がよくわかります。
前回の挫折がよほど悔しかったのでしょう。
中学生になった私は根性が身についたところを試したかったのでしょう。なんと朝刊の配達を志願したのです。
何時に家を出ていたのか忘れましたが・・朝の4時半くらいだったでしょうか?
空が真っ暗で配達が終わる時に夜が開けるのです。
3日続けて見て、「これは俺には無理!」と気づいたのです。
配達の大変さよりも早起きの大変さが、もう絶対無理なんです!・・でも、ここでへこたれていては根性がない自分をまた認めることになる・・
二週間くらいは続けたのでしょうか?
忘れたい思い出の詳細は記憶の中の奥のまた奥の引き出しにしまいこみ鍵を閉めてしまったようで、容易には思い出せませんが・・
ある日の冷たい雨の朝に、「今日で辞める!」とへこたれてしまった苦い思い出が残っています。

それは誰にも話せない、話したくない、経験として長い間封印していたのです。

この二つの挫折は、大きな挫折感として今でも残っています。

そして、今の仕事にとても役立っています。

美術教室の先生になったのもその時のコンプレックスが働いているのかもしれません。

先生になり始めの若い頃は、根性がない人を許せませんでした。
根性の足りない生徒(男の子)にも厳しかったと思います。
おそらく、自分自身の根性のない性格と重ね合わせて見ていたのでしょう。

自分の弱さを認めていなかったのです。

自分の弱さを隠すために、他人から出てくる弱さを強く批判していたのです。

それがどうでしょう・・
子ども達と毎日美術をしていて・・
子ども達のありのままの毎日をポジティブに認めていると、不思議なことが起こります。

子ども達は一人一人性格が違いますが、同じ子どもでも日によって違うのです。

やたらとテンションの高い日
落ち着かない日
やる気のない日
集中力が続かない日
ポジティブな日
穏やかな日
優しい日
イライラしていじわるな日

その日その日の子ども達のありのままを、美術を通して共感し認める言葉をかけてあげます。
すると、その言葉が自分のところに跳ね返って戻ってくるのです。

大人とはいえ・・先生という立場とはいえ・
完璧な人であるわけはなく・・
むしろ、私なんかは人一倍ルーズでいい加減な性格で根気もありません。

そういうダメな自分にも、「それでもいいんじゃない」っと優しい言葉が返ってきます。

折れてもいい! 負けてもいい! 失敗してもいい!
その悔しさをバネに少しずつ成長すればいい!

休んでもいい! できなくてもいい! やる気が出ない日があってもいい!
3歩進んで2歩下がる。いろいろあって楽しい! ぼちぼちいけばいい!
そんな自己肯定感は、子ども達の成長を暖かく共感しながら見守り応援し続ける心につながっていると思っています。

そして自分自身への自己肯定感にもつながっています。

子ども達のためと思ってやっているスキンシップが自分自身のセルフセラピーにもなっているように、子ども達への優しい言葉がけは自分を癒す言葉にもなってい跳ね返ってくるのです。

なんてありがたい仕事なんでしょう。

生徒達よ!いつもありがとう!


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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。