先月、教室の幼児の部で、【家族画】をテーマに子どもたちに絵を描いてもらいました。
「家族って知ってる?」「みんなは何人家族?」「誰がいるの?」「みんなはいつも休みの日は何してるの?」
などなど、みんなのことをもっと知りたい!!という気持ちでインタビューをたくさんしていきました。
それぞれ思い思いの主観的な家族をイメージして描く中で、この時期ならではの、年長さんの絵の空間表現をいくつか見つけたので紹介したいと思います。
子どもの絵には発達段階があります。以前ブログでも紹介されました。
⑤の図式前期とよばれる時期は空と地面を分けて描き、紙の一番下のベースライン(基底線)に家やら木やら人物やらいろんなものを立てて描いていきます。
そして⑥の図式後期になると、地面と空がくっついて奥行きの表現ができるようになりますが、⑤から⑥への移行期には、子どもの空間の認識の変化がユニークな表現として画面に表れてくることがあります。
年長男子:空は上にあり、木は紙の一番下のベースライン(基底線)にしっかりと描かれていますが、右側のサッカーゴールは中間にあり、サッカーをしているお父さんや本人も中間に位置しています。駐車場も奥に描かれ、俯瞰で見ているような表現です。奥にある駐車場を描いて、木と重なったのはこの子にとっては自然なことだったとみてとれます。
実は、かの有名な巨匠「ピカソ」がこの子どもたちの表現を意識的に行っていることをと知っていますか?
ピカソのキュビズムは、横からみた図と上からみた図、をバラバラにして再構築しているのです。
幼児期の子どもたちは、視点が移動するため、無意識にこの表現をやっています。絵の中で、俯瞰でみた図と真横からみた図が混在しているのです。やろうと思ってもできない表現です。
年長男子
椅子の表現は横になっていて、映画のスクリーンは前から見ている。
年長女子
図式前期の作品ですが、ベビーカーは上から覗き込んで見ているように描かれている。
年長男子
こちらの作者は、画面の中で、手前と奥とをしっかり意識して描き分けています。お母さまによると、お正月にいつも家族で写真を撮影するそうです。
いかがでしたか?子どもたちの空間表現、じっくり見ていくととても面白いですよね。他にも紹介したい作品がたくさんありますが、今日はこのへんで。またお会いしましょう!
《幼児の絵画造形指導にお悩みの方へ》
幼児に絵を教えるのが難しい。苦手な子への接し方に戸惑っている。
内容がマンネリ化している。
どうやって発想を広げたらいいのか分からない。指導案がほしい、など、
幼稚園や保育園、認定こども園の先生などが悩んでいることを
すべてプロの講師陣が解決します!
「楽しい絵画造形遊び」が満載の「どこでもアート まな美」を通して
子どもたちの豊かな感性を育てていきませんか?
興味をもったら・・・以下をクリック!
幼稚園・保育園・認定こども園などの先生のための
造形指導講座&課題配信 「どこでもアート まな美」
↓下の4つのバナーのいくつかポッチっとクリックお願いします。
FC2 Blog Ranking
PROFILE
-
武蔵野美術大学 油絵科卒
芸術による教育の会教師
子どもたちの面白い、ふしぎな発想が大好きです。美術を通して子どもたちの世界をたくさん知りたいと思っています。
最新の投稿
- 保育・造形指導2018年4月4日描けない子に【描いてみよう!】では描けない?!
- ただのつぶやき2017年3月14日クモのはなこちゃん
- 未分類2017年3月13日奥行きを描く幼児たち
- 美術教室2017年2月9日子どものやわらかいこころを感じるとき