生徒へのアドバイス「好きなことだけやって生きたほうがいいよ!」

「好きなことだけやって生きたほうがいいよ!」

これは、私が生徒達にアドバイスする言葉です。

それくらいの気持ちでいるのがちょうどいい!

私は小学二年生の時に画家になることを決意しました。

「図工、美術では誰にも負けない。」でも、勉強はそこそこ。
「母を心配させなければいい。」
そんな子どもでした。

好きなことだけやっていると・・

「そういうことなら、屋嘉部に頼みな!」となります。

好きでもないことを引き受けていると・・
好きでもない仕事がどんどん舞い込んできます。

好きなことだけやっていると、好きな仕事しかやってこなくなります。

好きなことには夢中になれるので、好きなことのスキルが自然に磨かれます。

自他共に認める生業になります。

好きなことが見つからなければ、学校の勉強をしっかりやった方がいいと思います。

学力は画家にとってのデッサン力のようなものです。

画家にとってのデッサン力は、共通の価値観です。
上手いデッサンは誰が評価してもやっぱり上手い!

デッサン力は画家のよりどころです。

絵を描いていて、自分の作品が良いか悪いか不安になることがあります。
デッサン力がある人は、描く力でなんとかなるものです。
自分のセンスに自信がなくなったら、とりあえずデッサン力を生かして描くと説得力がでます。

本当に立派な人は知識が豊富でも、それをひけらかさないものです。
立派な人は知識を隠しても自然にそれがにじみ出ています。

画家のデッサン力も同じだと思います。
「俺はこんなに描けるんだぞ!」と主張するその気持ちは何が原動力になっているのでしょうか?
ひょっとしたら劣等感かもしれません。

優れた画家・チャレンジする画家はむしろデッサン力に頼らないと思います。
デッサン力はネタが尽きた時、新しいものを見出せない時、自分のセンスに自信を持てない時についつい頼ってしまう逃げ道にもなるからです。

「共感してもらえないかもしれない。」「感動してもらえないかもしれない。」「認めてもらえないかもしれない。」だって、誰も描いたことのないような絵に挑戦しているのですから。
そんな時に、デッサン力は、「すごい!」「上手!」と共通の価値観で認めさせる力を持っているのです。

新しいものに挑戦している時に安易にデッサン力に逃げ込むのは問題です。

どう解決して良いか困った時、壁にぶつかって苦しい時に、とりあえずデッサン力で解決するということは、今チャレンジしている新しい価値を見出す挑戦から逃げることにもなります。

デッサン力は手段にはなるが目的ではない。目的によってはそのデッサン力はその目的にふさわしい手段とはならない、むしろ邪魔をする場合があるということです。

学校で学ぶ知識もきっと同じようなものではないでしょうか。
「すごい!」「賢いね!」「頭いい!」
と、学校で学ぶ学力は共通の価値観で他者から認めてもらえる心強い力となります。

しかし、その詰め込まれた学力は、新しい価値を生み出そうとする時にブレーキとなる場合があると思います。新しい価値は古い思考を壊してこそ生まれます。

詰め込まれた学力は古い価値です。その学力だけに頼るということは、いつまでたっても新しいものは見出せないということです。

いずれにしても、一流になる人はそこに逃げ込むことをしないでしょう。
(記事:一流になるための性格は「素直な負けず嫌い」ってほんと?)

好きなことを本気でやっているのだから、常に探究心を持って新しいものに挑戦できるのです。

一流の人は、共通の価値観に頼るというより古い価値観を壊し新しい価値を見出そうと挑戦しているのですから。

学校の勉強も大事。

でも、好きなことを見つけた人の好奇心や探究心からくる自らの意思で学ぶ力に勝るものはないでしょう

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好きなことを磨き続けたら、20年後には必ず好きなことで生きていける人になると私は信じています。

「子ども達よ!好きなことだけやって生きたほうがいいよ!」

そのためにもまず、「好き勝手に描きなさい!


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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。