「ありがとう」があふれる卒園式にて

「ありがとう」があふれる卒園式

31年間、絵画の講師としてお世話になっております、かおりKARUNA認定こども園の卒園式に出席しました。

こちらのこども園は仏教の教えの園で、子ども達の健やかな心の成長を最も重んじる教育をしています。

このこども園には、毎日「ありがとう!」があふれています。

「ありがとう!」があふれすぎて、授業が進まないことがしょっちゅうあるのです。

制作に集中しすぎていると、クレヨンを「ガチャーン!」と床に落とす子どもがいます。

担任の先生は、その子に不注意だと叱ったりはしません。

だって、周りが見えなくなるほどに制作に夢中なのですから。

落とした子どもは注意されるどころか・・
お友達がみんな立ち上がって、その子のクレヨンを拾い集め出すのです。

つい今まで制作に集中していた子ども達が、「ガチャーン!」という音を聞いて、顔を上げ辺りを見回して何が起こったかに気づくと、

「だいじょうぶ!?」とかけよって、手助けをするのです。

そんな思いやりのあふれる園での出来事・・
今でも忘れません。

ある日の造形指導の時です。

子ども達は、いくつかの机がくっついてグループに分かれて座っています。

私は、その日の課題の説明を子ども達の前でしていました。

画用紙に折り紙をセロハンテープでつけようとした瞬間!!
そのセロハンテープが置かれた机のそばに座っていた女の子がセロハンテープを持ち上げてくるりと回転させたのです。

「え?!」 (まさか!)

「◯◯ちゃん、屋嘉部先生に使いやすいようにセロハンテープをこっちに向けたの?」と尋ねました。

するとその女の子は、「うん!」と小さくうなづきました。

「ありがとう!」
「屋嘉部先生、とっても嬉しいよ!最高の気分だよ!」

これでまた、私がどれだけ感動しているかという話が始まり、5分間授業が進まなくなるのです。

大人にとってはとっても小さな出来事かもしれませんが、子ども達への教育にとって決して見過ごせないとても大事な出来事だと私は思います。

そんなことを思い出しながらの卒園式。

職員の席からは子ども達一人一人の顔がよく見えます。

3年前の入園式の時にお母さんから離れられないでずっと泣いている子ども、隣のお友達を叩く子ども、座ってられなかった子ども、その子ども達が今目の前で背筋を伸ばして座っています。

一人一人の顔を見ては、「立派になったね!ありがとう!」と心の中でつぶやきました。

大切な我が子を預けてくださったご両親や保護者の皆様に心を込めてお別れの挨拶をしました。

「ありがとうございました。」

この幼稚園で培った明るく素直で思いやりのある心を小学校に入学しても大切にしてくださいね。

私たちが目的とする「芸術による教育」は、「芸術の教育」ではありません。「芸術は目的ではなく手段」です。

美術活動を通して、温かい思いやりのある心を育みたいと願っております。

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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。