私の車には何曲の歌が入っているんだろう?
CDを入れると自動的に録音されるのですが・・11年乗った車ですから・・数百曲は入っているわけです。
一周回って同じ歌に出会うまでに数ヶ月かかります。
今日、運転していたら・・懐かしい曲が流れてきました。
The Blue Heartsの「少年の詩(うた)」です。
私の奥さんがThe Blue Heartsが大好きで、CDを入れてくれたのでしょう。そういえば、若い頃一緒にコンサートも行きましたね。
私はThe Blue Heartsの歌の中で「少年の詩」に最も惹かれます。
イイ子で頑張ってきたけど・・何かおかしい
このままじゃいけない。
少年の詩
作詞:甲本ヒロト
作曲:甲本ヒロト
詩:The Blue Heartsパパ、ママおはようございます。今日は何から始めよう。
テーブルの上のミルクこぼしたら、ママの声が聞こえてくるかな?
1.2.3.4.5つ数えてバスケットシューズがはけたよ。
ドアを開けても、何も見つからない。
そこから遠くを眺めてるだけじゃ。
別にグレてるわけじゃないんだ。ただこのままじゃいけないってことに気づいただけさそしてナイフを持って立ってた。
「ナイフを持って立ってた」なんて、とんでもない!非行少年の歌のようですが・・
私はそのように解釈していません。
「ナイフ」とは「力」のたとえだと思います。もちろん、その力が社会的に容認できるものとしてポジティブに働くかネガティブに働くかはわかりません。
ただ・・このまま、母親にとってのイイ子ではいけない。従順なだけではいけない。
私には、少年にとっての「脱母親依存」「脱・ピーターパン」として、自分を探す旅の始まりのように感じます。
美術教室の先生をやってきて、いろいろな生徒たちと出会いました。
机の中に潜って出てこない生徒
教室から飛び出す生徒
床に寝転がる生徒
若い頃の私は、この子たちがちゃんとみんなと同じようにできるようにと必死でした。
椅子に座ってイイ子にしていても構ってもらえない
教室から飛び出さないと追いかけてもらえない
床に寝転がらないと僕のことを心配してくれない
そんな気持ちを温かく受け入れることができませんでした。
なぜなら、そういう態度は悪い態度で、社会に出て通用しないからです。
以前のブログにも書きましたが・・(なぜ?わがままな子どもの方が思いやりの心が育つ?)←過去記事参照
私は思春期に荒れました。
まさに、親を心配させないように。
イイ子だと思われたくて・・・
やんちゃをしないどころか、やんちゃな同級生やわがままな下の子に注意するような子どもでした。
そして、小学校6年生になり・・
やんちゃに目覚めました。
イイ子じゃつまらないのです。
悪いことの方がスリルがあって楽しいのです。
本当は、幼児期から小学校低学年までにたくさんのやんちゃをして痛い目にあった方がいいのです。限度がわかるのです。
思春期になってからやんちゃに目覚めたらタチが悪いんです。
もちろん、大人になってからじゃあもっとタチが悪い。
美術教室の先生になりたての頃、私は保護者にとってのイイ先生を目指していたのだと思います。
だから、ハプニングを起こす生徒が後を絶たなかったのです。
生徒の気持ちには立っていないのですから・・・
あれから30年・・教室には机に潜る生徒がいなくなりました。教室を飛び出す生徒も、床に寝転ぶ生徒もいなくなりました。
なぜなら、彼らがそういう行動を起こす前に気づくようになったからです。
「あれ!今日はちょっと様子が変だなあ?・・」
「イライラして機嫌が悪いなあ・・」
そんな時に、思いっきりハグをするのです。(生徒とのハグはありですか?)←過去記事参照
羽交い締めにして抱きしめたりします。
生徒は「やめろ!」と大声を上げて抵抗します。
そして、「ああ・・気持ちよかった!」と言って生徒から離れるのです。
すると・・5分もしないで、その生徒は私のところに戻ってきます。
わざとちょっかいを出すのです。
また、捕まえて欲しいのです。
それが数回繰り返され、満足すると着席します。
マザー・テレサが「愛の反対は憎しみではなく無関心です」と言ったのは有名な話ですが・・
子どもたちはその日その日で体調が違います。
心の持ちようも違います。
「椅子に座って当たり前」が通用しない時があるのです。
「当たり前」にされたくない時があるのです。
「当たり前」扱いは、無関心にもされるのです。
その他大勢の中の一人にされると不安に感じる時があるのです。
もちろん、家庭でたくさん愛を注いで上げてこそ、子どもたちは外で外面を作れるのですが、保護者も私や子どもたちと同じように完璧ではない人間です。
お母さんだって、子どもに優しくなれない時もあります。
お母さんだって、誰かに優しくして欲しいのです。
そんな、お母さんに・・「もっと子どもに優しくして上げてください。」なんて私には言えません。
私にできることは、目の前の生徒たちに今何をするのがベストかを考えて接することだけです。
「少年の詩」は続きます・・・・
僕やっぱり勇気が足りない。「I Love You」がいえない。
言葉はいつでもくそったれだけど、僕だってちゃんと考えてるんだ。
どうにもならないことなんて、どにでもなってイイこと。
先生たちは僕を不安にするけど、
それほど大切な言葉はなかった。
・・・・・
美術教室の先生としては、「ぐさっ」っときます。
そんな時には言葉はいらない。
せめて不安にはさせないようにしたい。
美術教室にはいろいろな個性の子どもたちがいます。
その子たちの中には、子どもの時の自分自身と重なる子どもがいます。
その子どもに優しい言葉をかけることで、過去においてきた自分自身の辛かったことや悲しかったことがやんわりと溶け出してくるのです。
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PROFILE
-
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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