前回の「幼児の想像力を育むために —くり抜いた形からの発想—」につづきまして
今回は「スクイグルからの発想」です。
ドナルド・ウィニコットが提唱した非言語的な表現方法を用いる芸術療法の1つに、スクイグル法 (squiggle) があります。これは、画用紙にサインペン等でなぐり描きをすることを指示し、2人が相互になぐり描きをして見えたものを絵にする方法です。
美術教室では、びじゅつあそびを通して発想を豊かにすることが目的です。
子ども達はお互いに影響を受けながら、独自性のあるアイデアをひねり出します。
そして、この二年生の男の子は、いくつものスクイグルを絵本の様に一つのストーリーにまとめました。
スクイグルは、子ども達の想像力を育みます。
スクイグルのパターンは「不完全な形」であるというところが重要です。
私たちは、この「不完全な形」に弱いのです。
なんかモヤモヤするんです。
何かをやりかけたまま放っておくと、なんだかいつもモヤモヤして気になりますよね。
やり遂げるとホッとするのです。
「不完全な形」=「何かが足りない形」
そういう形を見た子どもは、何かを付け足して「意味のある形」にしようという心理が働きます。
その心理を利用することで、普段は絵が苦手で・・「好きなものを自由に描いていいよ!」と言われると緊張して、何を描いていいのか困ってしまう子どもにも、スクイグルの形がヒントをくれます。発想のきっかけをくれるのです。
また、いつも同じ絵ばかり描いている子どもも、スクイグルの形のおかげでいつもの絵は描けません。ワンパターンを壊すことができます。
この課題では、「丁寧に描きなさい!」「上手!」は厳禁です。
丁寧さに時間とエネルギーを使うのがもったいないのです。
「上手」と言われると、下手には描けなくなるのです。
ユニークなものを発想しても、うまく描けそうにないから描かないのです。
上手に描くには失敗ができません。発想には失敗はつきものです。
失敗を恐れていてはユニークな発想は生まれません。
「ひらめき」を大事にしてあげましょう。
「おしゃべり」のように、気楽に好き勝手描くことで豊かな発想が生まれます。
ぜひ、ご家庭でもスクイグルを楽しんでみてください。
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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