新年度初めてのK幼稚園での絵画指導です。
道具もクレヨンだけにしぼり要素を少なくして、コミュニケーションをとる時間を大切に進めました。
クレヨンを擬人化します。
「おはよう!久しぶりだねえ!」とクレヨンに語りかけながら、かわいい手のひらで「いい子いい子」と撫でてあげます。
屋嘉部:『みんなもお父さんお母さんにいい子いい子って撫でてもらうと嬉しいでしょ。クレヨンくん達もたくさんいい子いい子してあげてね。きっと素敵な絵を描いてくれるよ!』
一人の女の子が、あわてて両手でクレヨンを隠しました。
(おや!)よく見るとクレヨンのいくつかが折れています。
きっと折れたクレヨンに感情移入をして、かわいそうだと思ったのかもしれません。
折ってしまってごめんなさいと思っているのかもしれません。
屋嘉部:『先生のクレヨン見て!こんなに小さくなっちゃった。え!なになに?(クレヨンを耳に当てながら)僕は嬉しいよだって。なんで?・・ふむふむ・・たくさん使ってくれたから小さくなったんだよ。だから小さくなったことが嬉しいだって。』
屋嘉部:『そうか!そういえば、クレヨンで絵を描いている時に力を入れすぎてクレヨンが折れちゃったことがあるんだよ。その時に先生は、ごめんね!ってクレヨンに言ったんだけど・・クレヨンは、大丈夫だよ!一生懸命描いたから折れたんでしょ。僕たち折れちゃったけど二人になって嬉しいよ!って言ってたよ。 だから・・もしクレヨンが折れちゃった子がいても心配しないで大丈夫だよ!」
その女の子は安心して、クレヨンを覆っていた手を離すことができました。
『あんなに寒かったのに・・冬はどこに行ったんだろう?』
『春は何をしに来たんだろう?』
『屋嘉部先生が春をやります。』
私は見本を描いて見せたりしません。
若い頃はよく・・「例えばね・・」といって見本を描いて見せました。
すると子供達は、「先生すごい!」と言って大はしゃぎです。
そして、私の真似をして描いたり、「私そんなのかけない」となります。
「例えばね・・」の見本は、イメージの刷り込みになってしまいます。
幼稚園や小学校などの壁に同じような絵が並んでいるのを見ますが・・きっと、先生が「例えばね・・」と見本を見せたか、上手に描いたこの絵を「見て見て、すごい上手ね!」と取り上げてしまったことが原因だと思います。
私は、私のイメージを子ども達に刷り込みたくないので、「例えばね・・」の見本を書きません。
私が体を使って演じることで、子ども達それぞれがそれぞれの経験を頼りにイメージを膨らませます。
おえかき劇場の始まりです。
クレヨンを擬人化したように、春を擬人化して・・私が春を演じます。
一旦、教室の外に出てから、ドアをノックしてから「春さん」が入ります。
屋嘉部:『私寒いの苦手なんだよね。冬はまだお部屋にいますかあ?もう、帰ったかしら・・。お邪魔します。』
屋嘉部:『あれ!みんなまだ寝てるの?私の魔法で起こしてあげるね!」
園児達は、両手でつぼみを作り、春の魔法を合図に・・「ぱっ!!」と花を開きます。
そんなお話をたっぷりすると、子ども達はもう我慢限界なのです。
「先生!早く描きたい!」って声が上がります。
「せんせい・せんせい!きのうのはるかぜすごかったよね!」
「いたずらっ子の風だったよね!」
「自転車をたくさん倒して行ったよね!」
「ぼく、はるかぜの中で桜の花びらがダンスしているのを見たよ!」
「私も見た見た!みんなでおゆうぎしてたよ!」
「わたしは、風がお買い物をしているのを見たよ!コンビニの袋をを持って急いで走って行ったよ!」
こんな子どもたちの会話を聞いているだけで・・ハッピーな気持ちになります。
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PROFILE
-
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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