「私◯◯が描けないから描いて!」
皆さんはそんな時、どのように対応していますか?
美術教室でもよくあります。
「先生!私◯◯が描けないから描いて!」
私は、「いいよ、いいよ!任せて!先生プロだから!」と言って要求に応じます。
私:「何を描いて欲しいの?」
Aちゃん:「ミッキー描いて!」
私:「ええ!ミッキー!! ミッキーってどんな顔してたっけ?・・」
「たしか・・まあるい顔に・・」
「ネズミだから・・まん丸くて大きな耳と・・目はこんな形だったかなあ?・・」
「にっこり笑っている方がいいよね!」
私:「できた!」
Aちゃん:「ミッキーじゃない!」
Bちゃん:「でも・・かわいい!」
私:「わ〜い!ありがとう!」
私が子供達の要求に応えてキャラクターなどを描く場合は、いわゆる本物そっくりに描いたりしません。
必ず、その子供の年齢になったつもりで、キャラクターの特徴を概念化(言葉に置き換え)をします。
「顔はまん丸で・・耳は大きくて・・目は・・」とつぶやきながら描きます。
そして、できるだけ複雑な形にならないように描きます。
これでも、美術の先生です。プライドもあります。
もちろんその気になればもっとそっくりに描けます。
でも、私にとっては、子ども本人が自分で描く楽しさを味わって欲しいのです。
自力で描いて欲しいのです。
だからといって、「うまく描けないでもいいから自分で描きなさい!」なんて冷たく言うことはありません。
せっかく、先生を信頼し、「描いて!」ってお願いされたのですから、気持ちよくその依頼には応えます。
でも、私が本物そっくりに描くことで、「先生すごい!」と絶賛されても、その子自身が「自分で描きたい!」という気持ちにはつながりません。
子どもに自信をつけさせるためには、「先生さすがですね!まいりました。降参です。」ではいけないのです。
今度は、あるキャラクターを描いてと頼まれました。
なんだかわかりますか?
そうです!
アナ雪の「エルサ」です!
もちろん、子供達からはブーイングの嵐でした。
「全然似てない!」
「ドレスがおしゃれじゃない!」
「手も足もない!」
子供達はみんな言いたい放題です。
それでいいんです。
子ども達はみんな、
(先生のエルサよりは私の方が上手!)と思ったはずです。
(先生なのに、上手に描けなくても楽しそうにしている。)
私:「ええ!ちがう? どこが違うの?エルサってこんな感じでしょ!」
「どこが違うか教えてよ!」
(先生が子供達から教わっている)
子ども達は、先生に頼むのをやめて自分で描き始めました。
美術教室は学校じゃないので、「キャラクターはダメ!」とは決して言いません。
子ども達にとって最も関心のあるものを描かせてあげたい。
上の絵を描いた子どもも一年経って、全くアナ雪を描かなくなりました。
飽きるまで、満足いくまで描いたからです。
さて・・お家でも、お子さんから「描いて描いて!」のリクエストがきっとありますよね。
その時のお返事で注意して欲しい言葉があります。
「お母さん上手に描けないから、自分で描いてみて。」という言葉がけはやめましょう。
子ども達がなぜ自分で描かずに大人に頼むかという理由は、「自分は上手に描けないから」です。
大人は子どもに「上手に描けなくったっていいのよ!」って言います。
そう言いながら、自分は「上手に描けないから描かない」というのはおかしな話です。
「上手でなくても絵を描くことは楽しいよ!」というのを大人が自らが心から楽しむことが大切だと思います。
小さなお子さんのいるお父さん、お母さんへ
Let it go !
ありのままの自分の画力で開き直って、子どもと一緒に描く楽しみを味わいましょう!
子どもは上手に描くことよりもお父さん・お母さんとのコミュニケーションの方が楽しいのです。
「楽しみながら〜・・描きだそー〜・・少しも恥ずかしくはないわ〜♪」
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PROFILE
-
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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