●民家付き畑付き清流付きの山をどのように利用するのか?について
「どこでもアート」〜自然の中で生きる力は育もうプロジェクト
自然こそ、生きた教材の宝庫!
都会での美術教育は、人工物を素材としたカリキュラムがほとんどです。
「花を描こう!」と言っても、鉢植えの花であったり、人の手で整えられた花壇の花であったりが描く対象になります。
「石に絵を描こう!」などと言って、ホームセンターで玉砂利を買ってきて子供達にアクリル絵の具で描かせたりっておかしくないですか?
都会に住んでいると、大自然に存在する植物や昆虫などの小動物が非日常的なものであり、ペットボトルや空き缶、空き箱の方が日常的に自然に存在するものだったりします。
都会っ子にとっては、百円ショップで買ってきた材料で工作を作ることが身近な造形表現なのです。
都会に身近にある人工的なものを使って創造すると言うことを否定しているわけではありません。
私たちが見慣れているペットボトルを改めて観察してみましょう。
とても綺麗で素晴らしい造形だと言うことに気づきますか。
自然の造形の美しさとは違う、人類の叡智が詰まった最新のテクノロジーでデザインされた素晴らしい造形物だと思います。
もし、500mlのペットボトル容器がたった一つだけ古代エジプトにタイムスリップしたらどんなことが起こるでしょうか?
まさに映画ブッシュマンのようなドラマが始まりそうです。
ファラオはそのペットボトルを手に入れるために金銀の装飾品と交換することでしょう。
私たちは、消費社会において「お金」と言う尺度を基準に物事の価値を判断しがちです。
ペットボトルの中に入っているお茶は、数百年後も手に入るかもしれませんが、ペット樹脂を使ったこの美しいフォルムの容器は遠い未来には生産されていないかもしれません。
私たちはお茶にお金を出し容器は捨てていますが、ペットボトルの空き容器がお宝鑑定団に登場する時代が来るかもしれません。
その頃になって初めて、この造形物の美しさと価値に気づくことでしょう。
さて、人工物の美しさや価値とは違い、山が作る自然の造形はまさにミラクルです。
人類がデザインした造形物の多くは、自然の造形の美しさをヒントに作られています。
自然は、私たちに豊かな想像力を育む最高の先生です。
自然の不思議さと美しさと尊さをリアルな生活の中で五感を通して学びたい。
山には森があり草木が茂っています。動植物や昆虫や微生物が生きていて、栄養のある土を作っています。
都会では感じることができない命の連鎖と尊さとを体感しながら、生きるために必要なモノづくりを子供達と一緒に体験したいと思っています。
求めるものは、テレビ番組のような視聴率のための絵になる派手さではなく、未来に向かって繰り返し紡いでいくような、とても地味な日々の生活の中に自然に溶け込むものづくりをイメージしています。
「テーマパークより自然が面白い」と言う人たちが増えて、「買って使うよりも、自分で作って使う方が好き」と言う人が増えたら嬉しいです。
例えば、民家付き畑付き小川付きの山では「デコボコ道を平らにする」とか「小川から用水路を作る」や「腐葉土を作る」など、生きるために必要な環境づくりから始まり、「豊かな生活とは?」を考えて、プロダクトを制作していきます。
そこで作られたプロダクトは、その場においては自然なものです。
しかし、そのプロダクトを都会の人たちにとってはラグジュアリーでスペシャルな物に感じることでしょう。
「それと同じ椅子が欲しい」とか「それと同じ棚が欲しい」や「その美味しい野菜を分けてください」と求められるでしょう。
子ども達は生きるために必要なものを作りながら、どのようにして職業が始まったかをリアルに感じることができます。
私は、昨年から異業種の人たちと話す機会が増えました。
そして、出会った人たちに本会の活動を伝え歩いています。
こちらが驚くほどに、皆さん私たちの活動に感心してくださり、本会が社会に役立つの価値が大きいことを実感しています。
出会った人のほとんどが中小企業の社長さんです。
大企業は簡単には動かないが、中小企業の社長は決断が早い!
どの方々も、失敗を恐れて決断を遅らせると言うことをしません。
頭の回転と行動力が早いのです!
おかげで、この歳になってさえ、知恵熱が続いています。
私たちが過疎化の続く山村で、自然の中でのものづくりを通した教育をすることで、若い人たちが自然の中で過ごす価値を見直し、山村の地元の人たちが「あなた達が来てから村が元気になったよ」と言ってもらえることを夢見てチャレンジします。
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PROFILE
-
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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