今日のかずくんのことを書きます。
上野の森美術館で開催される「日本の自然を描く展」への出品作品が完成しました。
中学一年生かずくんの作品です。
1ヶ月前・・
描き初めはこんな感じで始まりました。
そして、30分後・・・
そして、翌週・・
先週、完成直前です。
そして、こちらが完成作品
上野の森美術館の「日本の自然を描く展」は大人の方々が出品する展覧会です。
芸術による教育の会は、特別に子供部門として招待されました。
かずくんの作品を見ると、なぜ芸術による教育の会の生徒たちだけが招待されるかがわかっていただけると思います。
私たち芸術による教育の会では、子ども達の作品を「大人の作品になる前の未成熟な作品」とは見ていません。子ども達の作品は子どもの世界観の中で既に完成した作品なのです。
だから、大人が出品する展覧会に私たちの生徒作品が展示されることで、大人の出品者の皆さんにも良い刺激になっているとのことです。
さて、今日のかずくんですが・・・
「日本の自然を描く展」の作品を完成させた後、黙々と何かに集中していました。
そっとのぞいて見て・・・びっくり!
「ええっ!何やってるのお!」
アクリル絵の具で筆箱に色を塗っていました。
私:「すっす・すごいねえ!・・びっくりした〜!」
かずくん:「いつかやろうと思ってたんだよね!」
私:「それが、今日だったんだね!ついに!」
そして、教室にお迎えに来たお母さんに作品を手渡すかずくん。
何か、儀式めいていたので撮影させていただきました。
ところで、なぜ?かずくんは「いつかこの筆箱にペイントしよう!」と思っていたのか?
お母さんがそのストーリーを語ってくださいました。
この筆箱は小学校に入学するときに買った筆箱です。
当時2000円もした高級筆箱でした。
「買ってあげるけど、6年間使うのよ」と約束しました。
さすがに高学年になると、蓋の開け閉めするつなぎ目がちぎれてしまいました。
かずくんは、ちぎれたところをテープで補強して使い続けたそうです。
こんなボロの筆箱を使っていると友達からいじめのネタにされるのではないかと心配しました。
しかし、そんな心配は全くご無用でした。
小学校を卒業したら、すぐに捨てようと思っていましたが、本人がどこかにしまっていたようで、今日までその存在を忘れていました。
かずくんにとっての「筆箱ペインティング」は、お母さんとの約束を果たすとともに卒業の儀式だったのです。
生徒達は、私たちが用意した課題とはまったく違うところで自由な制作を楽しんでいます。
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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