「見立て遊び」「ごっこ遊び」
美術教室事業部 武田一城
先日、粘土でできたスタンプで、カラフルなフルーツスタンプを押し、お誕生日ケーキを作るカリキュラムを行いました。
粘土で作るスタンプですから、当然イチゴやみかんなど思い通りの形にはなりません。また、せっかく上手く作れても、形が変わってしまいます。
でも、「うん、これはみかん味」「これはバナナね」と味を想像し、そして「〇〇ちゃんはりんごも好きだからりんごね」と言葉に出しながら、さらに食べるふりや、舐めて味見をするふりなど、とっても楽しんでいます。でも、次に味を聞いたときには、違うフルーツになっているんですよね。お誕生日ケーキをきっと喜んでくれる。想像しただけでみんなが幸せになる場面が浮かんできますね。
でも、全くフルーツの形にはなってないんですよ。
そっくりそのままのリアルな形は実は必要ないのかもしれません。リアルじゃないからこそ、作った子どものわがままな発想を聞いてあげることができると思います。
見本を目指す完成度の高い制作も時としては必要ですが、自分がイメージを膨らませ、ポジティブに「きっとこうに違いない」と自分目線で完成する制作は失敗がありません。
泥だんご一個でおままごと遊びができる事と同じです。自分がイメージしたことを一緒に楽しんであげると、自発的に次の展開や、新しいことを吸収するエネルギーになります。
大人はいつでも話を聞いてくれて、褒めてくれる信頼関係を築き、そばにいてあげるだけで良いんです。
ごっこ遊びは、思いやりや、愛情を育て、想像力を育てます。
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