鴻巣アートの森にて8月17、18、19日に美術教室、アトリエトントンの生徒さん保護者の皆さんと初めてのイベントがあり、さわやかな夏の日を過ごしました。子どもたちも保護者の皆さんも森で竹を切ったり、竹の工作を作ったり、かき氷を作って一緒に食べたりと、鴻巣の森での一日を楽しんでくださったようです。
わたしは竹工作の係として参加しましたが、その中の「竹トンボ」が自分の中でちょっとした意味を持つものとなりました。
竹工作のコーナーでは実際にこの竹トンボを作るのは難しく、子どもたちに出来上がったものをプレゼントして遊んでもらうということにとどまりましたが、「スーパー竹トンボ」と言われるもので通常の竹トンボと比べると何倍も高く飛び上がるのです。
鴻巣の森で竹工作をやろうと決めて竹トンボが良いかなと思い、ふと思い出したのが この「スーパー竹トンボ」なのです。
もう10年以上前に家内の親戚一同での集まりがあり、そこで叔父さんにあたる人が子どもたちに配ってくれました。叔父さんには二度ほどしかお会いしていませんでしたが、昔 造船技師をしていた技術者で、趣味で竹トンボを作っていると聞きました。細身の体系で温厚そうな表情の人でした。その時には 「良く飛ぶ竹トンボだな」というくらいの感想で子どもたちもしばらく遊んだあとは、どこかの引き出しの奥にしまいこまれていたわけです。
このスーパー竹トンボのことを思い出し、あちこちと探し回って車のダッシュボードの奥から見つけ出しました。羽の一部が折れてしまっていましたが、飛ばしてみるとまだまだ素晴らしい飛行能力を備えています。何よりも驚くのはそのフォルムの美しさです。軸に近い羽は幅が絞られていて外にいくにしたがって広がっています。羽の角度は外にいくにつれてゆるやかになっており、全体が大きなねじれを持った作りになっていて、どの角度から見ても正確で、機能的で、セクシーな美しささえ感じます。プロの凄さを思い知らされました。
「このスーパー竹トンボを作りたい! 子どもたちにも作らせたい!」
そう思い、すぐに試作を作り始めました。
はじめは、ノコギリや切り出しナイフを使ってやっていたので、1機作るのさえ7、8時間を要しました。「こんなに大変な思いをして作った竹とんぼを、ホイホイと配っていた叔父さんは、ナニモノなのだ!」と思いました。ネット上で情報を集めて研究し、10機ほど作ったあと電動工具を使って制作ペースをあげてトータルで30機くらい作りました。
慣れてくるにしたがって飛行高度も上がり7、8メートルくらいは飛び上がるようになりました。
ただ、叔父さんの竹トンボと比較すると、そのカッコよさには雲泥の差があります。まだまだ目標には遠いという感じであり、そこに近づいていくことが楽しみでもあります。
このスーパー竹トンボを通じて、鴻巣アートイベントでいろんな子どもたちや保護者の方とつながりました。今後も楽しみなことがひとつ増えました。
そしてもう一つは、自分の記憶の端にあった叔父さんとつながったことです。ずいぶん前に2度しか会っていないだけの叔父さんと竹トンボを作るということを通じてつながったのです。
あらためて竹トンボについて亡き人に話しを聞くことは、もうかないませんが、月日を経て自分が竹トンボを作ることで叔父さんと会話をしているのかもしれません。
下段登
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