美術教室にお子さんを通わせてくださっている親御さんの中に
「うちの息子は全く落ち着きが無いんですよ・・・ 美術で絵を描いたり工作を作ったりしていれば、少しは集中力がつくんじゃないかと思って、、、」
という具合に悩みをお話しされる方があります。
そんな時は、すかさず
「エエ、エエ、お母さんご心配なく。美術をやってると必ず集中力がついてきますよ! 美術は正しいひとつの答えを出すんじゃなくて、色んな要素の中から試行錯誤しながら自分にあった方法を探し出すことなんです。美術教室の子たちは自然に集中力を身につけていきますよ!」
と、ちょっとセールストーク気味に答えている私です。
「集中力」というと、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか?
真剣な眼差しでに黙々とデッサンに取り組んでいる様子、や
工作のアイデアを完成させるために失敗をものともせずにがんばる様子、
といったところでしょうか。
しかし美術教室の子どもたちをみているとそんなイメージとはちょっと違う「集中力」を持っている場合があります。
その日の美術教室のテーマは そっちのけで、折り紙に細かく絵を描いたりシールを貼ったりしている子がいます。そっと覗いてみると お友だちにあげるお手紙作りに没頭しています。
大好きなものを絵で描いてみようというテーマの時に、飼っているペットのことを周りのみんなを相手にものすごい勢いで延々と喋っている子がいます。そのペットの絵を描いているのかと思いきや、全然違うものを描いていてズッコケそうになります。
でも、そんな子たちも目はキラキラと輝いているのです。
「集中する」ということの背景にあるものは何か? と考えてみるに、
それは 「ワクワク」 なのではないかと思います。
こっそりお友だちに手紙を書いている子は、
(このお手紙をあげたら どんな風に喜んでくれるかな! ワクワク)
ペットの話にのめり込んでいる子は、
(早く帰って抱っこしてあげたいな! ワクワク)
アニメのキャラクターを何度も描いて練習している子は、
(これが上手く描けたらみんなびっくりするだろうな! ワクワク)
テストの勉強を鬼のようにがんばっている子は、
(100点をとってトップになってやるぞ! ワクワク)
「ワクワク」する気持ちが 「集中力」を生み出している。
文頭に出てきたお母さんは、
「集中力」を つけるという「目的」のために、「美術」という「手段」を選んでるということになりますが、
この「目的」と「手段」は、子どもたちにとっては逆に位置するように思えます。
「ワクワク」心を満たすという「目的」ために、「集中力」という「手段」を使っているのではないかと、
「ワクワク」出来るものさえあれば、「集中」するのは意外に簡単なのではと、
いかがでしょうか?
その点、美術は「ワクワク」には 事欠きません。「ワクワク」の塊なんです。
「そうです、美術をやっていると、やっぱり集中力がつくんです!」と、今度は絶対の自信を持って言えそうです。
自分も、子どもたちを見習って、
「ワクワク」のために「集中」しなくっちゃ!!
下段登
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