こんにちは。関東圏で100箇所を越える美術教室を運営する「芸術による教育の会」ブログ担当です。
突然ですが、はじめに少しだけ自己紹介を。
私たち「芸術による教育の会」は1956年に発足して以来、会の名の通り芸術を通した幼児教育をはじめ子供の心の成り立ちを長年研究してきました。
月に1度、全美術教室の教師たちが集まり子供の情緒安定化をはかるための接し方や、柔軟な思考力を伸ばす研究会(勉強会)を開催しています。
私たちの目的は美術のテクニックを教えることではなく、子供たちの「健やかな心」を育成することにあります。
(私たちについてのより詳しいご紹介は記事下のリンクよりご覧いただけます)
さて、夏休みに出された自由研究の工作。
この時期はご家庭でもお絵かきやものづくりに試行錯誤するお子さんの姿が見られたことと思います。その一方で”自由”といわれても何をテーマにしたら良いか悩んでしまう親御さんもいらっしゃいます。
そもそも、なぜ学校はそんな課題を与えるのでしょうか。
今日はそのような方々に少しでも役立ててほしいという想いから、弊社の代表であり、慶應義塾大学理工学部講師も務める寺尾に、「工作が子供の成長にもたらす効果」について話を聞きました。
お父さん、お母さんに代わり、改めて様々な質問を投げかけてみましたのでどうぞご覧ください。
■はじめから主たる質問です。工作が子供に与える影響は、どんなことが挙げられるのでしょうか。
寺尾:ものをつくること、育てることというのは教育の基本です。
特に日本人の一番得意としてきた分野がものづくりです。これだけの繁栄はものづくりによってできてきた。
その原点に帰るのが、「工作」です。
子供にとっての効果は色んな要素がありますが、まず工作するのにはとても頭を使います。
「試行錯誤」をしなければならない。こうやったらどうか、どうしたら形になるか。
今までの知識経験を総動員して、そこへまた色んな情報を仕入れ、新しいものを取り入れながら作っていく。
そこにはこだわりがあるんですよ。ただ作ればいいというのではなくて。
我々で言えば美術なので綺麗じゃなきゃ嫌だとか、かっこよくなきゃ嫌だとか、色々感情が出てくる。
ただ機能さえすればいいという考え方は理工系の考え方で(笑)、美術は違うんです。”機能はまぁそこそこでいいや、装飾が命なんだ!”と。
そこに個性が出てくるのです。
個性を表現する道具が、ものづくりの中にはあります。
と、これを喋りだすと伝えたいことがたくさんあって、止まらなくなってしまうのですが(笑)
■ということは、工作は繰り返すことで個性が磨かれていくということですか?
寺尾:個性も磨かれ、本人の自信がつきます。
出来上がったものがうまくいった、褒められた、その次に作ったものがまた褒められた。
そうして褒められ続けると成功感を味わって自信につながります。
1つ作ったら終わりではなく、美術教室であれば毎回毎回色んなものを作って、色んなものを描いて、小さな成功感を積み上げそれをだんだん大きくしていきます。
やった!できた!うまくいった!というのが積み重なっていくと、「やればできるんだ」という気持ちが生まれて、その子の中で自己肯定感が育まれていきます。ものづくりというのは、その大元、基本となるものなのです。
■先ほどから美術教室の話が出ていますが、子供たちにとって「美術」とはどのような役割なのでしょうか。
寺尾:ある目的があって、こういう工作をするんだというテーマがあったら、どう捉え考えるか方向が一人一人違います。
それを認めてあげられるのが「美術」です。
見本があって、全員が同じように作る学校の教育ではありません。
美術教室でも授業のはじめにその日の工作の見本を見せますが、多種多様に形を変えられるものにしています。
先入観が強いとそれしか考えられなくなってしまうので、こういうのも良いし、ああいうのも良いんだよ!という例を同時に示します。
話をしながら「◯◯ちゃんはどんなのが良い?」と、また別のアイディアを引き出してあげて、子供たちが”自分で考えながら”手を動かし始める。それが良いのです。
寺尾社長、ありがとうございました。
工作がいかに子供の成長に寄与するかがわかりました。
しかし、美術教室にくる子供たちの中には、作ることを嫌がる子もいるようです。
次の記事ではそうなる原因について掘り下げていきます。
こちらもぜひご覧ください。
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