昨日は、反面教師について書きましたが、今日は私が画家を志すきっかけを作ってくださった素敵な先生について書きます。
それは、小学校一年生の時の担任の伊藤先生です。
とても厳しいおばさん先生でした。
生徒達からは怖がられていましたが、保護者からは絶大な信頼と人気がありました。
私は、何をやらせても遅く、理解力も弱く、クラスについていけていませんでした。
「クラスで1人だけ〇〇ができない。」のその1人だけが私でした。
そんな私が図工の時間にみんなの前で伊藤先生から褒められたのです。ゾウを描いた絵でした。
どんなところを褒められたか内容は覚えていませんが、いつも厳しい先生が本気で褒めてくださった時のあの表情はおぼえています。
事なかれ主義の先生とは正反対のとても正義感の強い立派な先生でした。
その先生から本気で褒められた事が自信になりました。
それからの私は図工の時間が大好きになりました。
そして、翌年小学二年生の時に画家になる決意をしました。
伊藤先生は、教えたがりの先生ではなく育てたがりの先生でした。
教えたがりの先生は、「答えは私の頭の中にある」というタイプだと思います。
「私は凄い先生でしょ!」と主張しています。
その裏には劣等コンプレックスを感じます。
育てたがりの先生は、「答えはあなたたちの中にある」というタイプだと思います。
「あなたたちは本当に素晴らしい才能があるわ!」と生徒に自信をもたせます。
先生自身に自己肯定感がなければできない姿勢だと思います。
「反面教師に感謝!子どもの絵に手を加えられない理由」で取り上げた反面教師は、まさに教えたがりの先生です。
「答えは私の中にある」「あなた達は、従順に私の答えを受け入れなさい」というひっぱるタイプです。
それとは真逆の伊藤先生のような育てたがりの先生は、「答えはあなたの中にある」「私はあなたの興味についてもっと良く知りたいわ」という伴走するタイプです。
そして、「この子はもう自分で走れる」となったときに上手に離れることができる人です。
教えたがりの先生には、従順で依存度の高い生徒が集まりやすいと思います。
育てたがりの先生には、自由な子ども心を持つ自立心の強い生徒が集まりやすいと思います。
「教育」という両輪、「教える」「育む」どちらも大切。要はバランスです。
私は育てたがりの先生が好きです。
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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