こんにちは つぶつぶ先生です。
今回は、子どもの描く【顔】や【人】についてのお話です。
※ぜひまずこちらをご覧になってから↓
(→「子どもの絵について学ぶ」基礎編【子供はなぜ絵を描くのか?】〈子供の絵と知能〉〈子供の絵と心〉について)
子どもの絵は汚しと言われています。
絵を描くというのは、真っ白な画面を汚す行為です。
何も描かれていないきれいな画面を壊して汚し、退行しスッキリとした気持ちになる、描くことで気持ちの発散を行います。
発散とは、ストレス発散の発散と同じです。
人はむしゃくしゃ・イライラしたときにどのような発散をするでしょうか。人に当たったり、物を壊してしまったり、お友達に手が出てしまうような発散は他人に迷惑をかけてしまいます。
絵での発散は、他人に迷惑をかけない健全な発散と言えます。
汚しとはお母さんを呼ぶ行為とも言われています。
生まれたばかりの赤ちゃんは、不快なことがあると泣いて訴えます。おむつが汚れて泣くとお母さんが来てくれて、おむつを交換し不快な 感覚を綺麗さっぱりと整えてくれます。また、もう少し大きくなってからでは、例えば、飲み物をこぼすとお母さん・お父さんが来てくれて、こぼした飲み物を拭き取ってくれます。
子どもは、成長過程の様々な親子の関わりの中で「汚し→不快→安心」このような構図を経験し学びます。
汚しの表し方が心の成長とともに変化し、絵の発達段階として表現されると言われています。
子どもがまず最初に描けるようになるもの、「顔の表現」を例に解説します。
子どもが汚しを楽しみ(擦画期→錯画期)、成長すると腕と肩の動きから「まる○」が描けるようになってきます。
そして、描けた○を指差して「おかあさん」「おとうさん」などと教えてくれるようになります。(象徴期)
その後、丸を組み合わせた形で顔を表現しはじめす。
早い子で2歳半くらいから顔の表現が始まります。ゆっくりな子は3歳後半か4歳くらいからになります。
この時期の子どもには、絵を仕上げる意識はありません。次から次へと思いのままに手を動して描き続けます。「これで完成」とはならず、絵の上に新たな絵を描いてしまうので、せっかく形がでてきていてもそのまま綺麗に残ることが少ないです。
想いのままに汚しを楽しむことが大切です。
この時期の個人差はとても大きいです。月例差も男女差も大きいです。
また、顔を認識しているのに顔を描かない子もいます。ですから、この時期に顔が描けなくても全く心配は要りません。
幼稚園入園のころには殆どの子が顔の認識を持っています。
次に顔から直接足が出てきます。
●『頭足人(とうそくじん)』すべての人類が描くと言われています。
子どもは頭から直接足が生える様子を表現します。弱視のお子さんでも同じような描き方をすることから、子どもはものを見て描いていない証明とされています。
ものを見て描いているのではなく、頭にあるイメージを表現しています。
顔の色が様々なのもこの頃の特徴です。
赤・青・緑など、その時の気分で顔を表現します。顔の色、髪の色、口の色と意識して描くようになるのはもう少し成長してからになります。
ここまでは性別による差(性差)はあまりありません。どの子も同じような発達をします。
頭足人の次からだんだんと性差が見られるようになります。
女の子で早い子は2歳後半から、描き方に性差が表現されてきます。
そして、男の子は女の子より1歳から2歳くらい絵の表現が幼い傾向があります。
明確な理由はわかりませんが、お子さんたちを見ていると、男の子は平面的な絵よりそれ以外の立体物の制作を好む子が多いためではないかと思います。
ブロックや粘土では驚くような表現をする子が、絵ではとても幼い表現をする場合があります。
また、男の子で年長くらいから人の絵を描かなくなる子も多いです。
人を描くのが好きな子は→人に興味があり、
あまり描かない子は→人ではなく他のもの(乗り物や道路、動物など)に興味があるためです。
女の子の方がずっと人を描き続ける傾向があります。色合いも固有色を意識して使ったり、自分の好きな色で彩り豊かに表現してきます。
一方男の子は単色や寒色系の色合いで表現することが多いです。
絵を見ると明らかな男女の違いが見えてきます。
絵はその子の興味がそのまま表現されます。
絵はその子自身と考え、どんなものを描いたのか興味を持って聴いていただくと、お子さんの想いが伝わってきます。
ぜひ「絵は聴いて育てる」を実践してください。
(お母さんから男の子の絵について質問をされることが多いです。なぜ描かないの?なぜこのような色合いなの?なぜ形を残さず壊してしまうの?よくある質問です。また詳しくブログに書きたいと思います。)
頭足人から成長する様子をわかりやすく図にしてみました。
(男の子っぽさと女の子っぽさをわかりやすく表現しています。男の子でも人をたくさん描く子もいれば女の子でもあまり描かない、シンプルな描き方をする子もいます。)
描き始めは皆同じですが、だんだん雰囲気が変わってきます。
園や学校で子どもたちの作品を見比べてみるととても興味深いです。
子どもの絵ってとてもおもしろいですね!
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PROFILE
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橋本円(はしもとつぶら)つぶつぶ先生です。
静岡県出身:40代
美術教室の先生として20年以上経ちました。武蔵野美術大学短期大学部(があったころ)美術科卒です。大学サークルアトリエちびくろのOGです(^^)
同郷の友人がすごく楽しそう活動しているのに魅かれてサークルに入りました。自分の思い出作りとして参加させてもらいましたが、子どもって面白い!そして、一緒に楽しむことを教えてもらいました。そのまま子どもと活動することの楽しさをもっと追求したくなり、現在も活動を続けているのかなと思います。
芸術による教育の会で子どもの指導を続ける中で、アート活動は子どもにとって大切な教育であると真剣に考えるようになりました。自分の子どもの育児においても、芸術による教育の会の理念は素晴らしく、仕事をする中で得た知識がとても役に立っていると感じています。アート活動が子どもにどんな影響がありどのように大切なものなのかを、子どもに関わるすべての大人に伝えていく使命があると思っています。
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