子どもの絵をあまり褒めすぎてはいけない。
子どもは褒められることを目的として絵を描いていない。
大人が褒めるもんだから、子どもは褒められることを意識し始める。
当然、褒められると嬉しい。
また褒められたいと思う。
だから、子どもは上手に描ける絵しか描かなくなる。
同じ絵ばかり描くようになる。
本当は同じような絵なのであって同じ絵ではないのだけど・・
大人には同じ絵に見える。
本当は違うところもあるのだけど・・
大人は、いわゆるよく描けているところだけに注目し大げさに褒める。
その脇に描いた、上手く描けていないなんだかよくわからない形については関心を持たない。
子どもにとっての、そのなんだかよくわからない形こそが、チャレンジしたところなんだ。
または肩の力を抜いて「遊び心」で楽しく描いたところなんだ。
上手に描いたところは、「とりあえず上手に描いた」という安心保険なんだ。
「保険には入ったから、実験をして失敗をしても大丈夫!」という気持ちでチャレンジできる。実験できるのだ。
実験には失敗はつきもの。初めてチャレンジしたもんだから、上手く描けていないのだ。
美術指導のプロは、そのなんだかよくわからない形にこそ注目する。
そして、チャレンジしたことを勇気付ける。
決して、「上手に描けた」とは褒めない。
子どもは、いつも同じような絵を上手に描くことよりも、新たに興味を持ったことについて探求することが楽しくなる。
新たな発見にこころが踊る。「せんせい、みてみて!」と共感を求めてくる。
「上手ね!」と褒められることよりも、新しいことにチャレンジすることがますます楽しくなる。
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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