「叱ると怒るは違うんだよ」とよく言われていますが・・
芸術による教育の会では全教師が集まる研修会でのロールプレイ(役割演技)を通して、叱り方研修を行います。
「叱る」もスキルの一つですから、最初から叱り方の上手な先生はまずいません。
自分が子どもの時にどのように叱られたか?
親や先生の口調がモデルになっていたりします。
叱られた時に味わった嫌な感情がしこりになっている場合は、叱らなければならない時に叱れないということもあるでしょう。自分が叱られた時の感情が蘇ったりして冷静ではいられないでしょう。
一度人間関係がこじれると修復できないのではないかという心配があり、なかなか本気で叱れないということもあるでしょう。
本気で叱れる先生は、まずその生徒との信頼関係に自信を持っています。そして「愛」があります。
私は美術教室の先生になってまだ経験が浅い頃、何度も生徒と本気の喧嘩をしました。
信頼関係に自信もなければ、「愛」があってのことでもありません。
子ども同士の喧嘩のような本気の喧嘩です。
私:「もう、そんなに迷惑ばかりかけるんだったら帰りなさい!」
生徒:「いいよ。帰るよ。もう美術教室やめるから!」
私:「ああ、いいよ!お前なんか辞めちまえ!」
生徒:「もう来ないからな!」
私:「二度と来るな!」
教室の中は凍りついた感じで、みんな緊張して一言も喋りません。
私もイライラしたままで激情がおさまりません。
しばらく経っても、大人気ない自分自身の言動が頭から離れずに、嫌な気分のまま落ち込みます。
そしてレッスンが終わると生徒のお母さんに電話をするのです。
「ごめんなさい。私は○○くんと本気で喧嘩しちゃいました。カッときて我慢できず、もう二度と来るなと言っちゃいました申し訳ありません。」
怒ってしまう先生は、自己愛が傷つけられて感情的になるのです。先生としての自分の立場を壊されたことによる怒りです。
叱る時には、「君のことが大好きだ」ということを言葉と体で伝えた上で、だからちゃんと叱るよ!という姿勢が大事だと思います。
(よおし!本気で叱るぞ!)と理性で決断してから叱り始めるので、叱り終わった後もイライラすることなく爽やかな気持ちでリセットできます。
どんなに強烈に叱っても関係は壊れません。
叱り方の上手な先生が叱っているシーンを見ると感動しますよね。
叱っているにもかかわらず、先生が上から目線ではありません。
まず、両手で子どもをしっかりホールドするか・・両手を握って・・目を合わせて話し始めます。その仕草は・・「先生は今本気ですよ!」という緊張した空気をしっかり作っています。
その根底には必ず「愛」があります。
叱られている子どももとても素直です。
それを周りで見ている保護者も信頼してみてくださっています。「この先生なら安心」「この先生に預けたい」というオーラが出ているように感じます。
子どもの人格を否定するのではなく、容認できない言動について明確に叱る。
感情的になると、その子の人格を否定しているような叱り方になってしまうので、「よし!叱るぞ」と一呼吸置いてから叱りましょう。
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PROFILE
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沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師
大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。
美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。
50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。
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