「かくれんぼ」はアートだ!

49784904 - children playing hide and seek

かくれんぼはアートだ!

子どもはかくれんぼ大好きですね。

「どこに隠れたら見つからないかなあ?」

あまりにも難しいところに隠れてしまうと、ずっと見つけてもらえずに不安になりますね。

時に、自分がまだ隠れているということに気づいてもらえなかったりするととても寂しくなります。

かくれんぼはコミュニケーションですから・・・

適当なところで見つけてもらう方がいいですよね。

かくれんぼが上手な子どもいますよね。

66364389 - large bouquet of summer wildflowers behind which hidden a person in a hat / game hide and seek at sunset

「まさかこんなところに!」と驚かされます。

ただベンチに座っているだけで見つからない時ありますね。

「まさかベンチに座っている」とは鬼の方ではイメージできていないんです。

鬼は「もういいかい?」と問いかけながら、

「まあだだよ!」という声の方向と大きさで、「多分、あそこに隠れているな!」とイメージするわけです。

「図」と「地」の関係でいうと、鬼にとってのベンチは背景として「地」になっていて、隠れる場所としての「図」とはイメージしていないわけです。

かくれんぼには、二番煎じがいます。

「そうか!あそこに隠れると見つかりにくいんだあ!よし、次は真似してあそこに隠れよう!」

するともちろん、一番最初に見つかっちゃうわけです。

鬼にとっては、その隠れ場所はすでに「地」ではなく「図」として強くイメージされているわけですから。

1回目は感動しても、2回目からは残念で退屈な場所になります。

アートの世界も、かくれんぼに似ていませんか?

「まさか、そういう風に描いたか! こんな作品は今まで見たことがない! なんと素晴らしい!」

他の誰とも違う表現に、鑑賞者は感動します。

そして、アートの世界にも二番煎じがいます。

「へえ!ああいう風に描くとウケがいいんだ!真似して取り入れようかな。」

かくれんぼの上手な子どもは、成功したからといって同じところには隠れません。

みんなの想像から外れた隠れ場所を探します。

優れたアーチストも同じだと思います。

誰かがすでにやってしまった表現がいくらウケがよかっても、意地でも真似をしない。

意識はするし、影響も受けるけど、「自分は違う!」というところにこだわります。

そういうアーチスト気質って、子どもの時の遊びを通して育まれるのでしょうね。


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PROFILE

屋嘉部 正人
屋嘉部 正人芸術による教育の会GM
沖縄生まれの大阪育ちの千葉県野田市在住
多摩美術大学絵画学科油画専攻卒業
横浜美術大学絵画コース非常勤講師

大学四年生から芸術による教育の会で美術教室教師としてアルバイトを始め、大学卒業とともに同会に入社。

美術家として個展やグループ展など多数発表を続け、新制作協会に所属。

50歳を機に人生をリセット
・右利きを辞めて左利きとして生まれ変わる
・やりたくてやらなかったことを全てやる
52歳で新制作協会会員を退会
53歳でこれだけはやめられない一番好きなお酒をやめる
・芸術による教育を全国に広める伝道師として芸術による教育の会GMとなる
・「紙コップのインスタレーション」を各地で実施。