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第65回というと、この展覧会は65年前の大昔から行われているということで、いまさらながらびっくりしています。
継続は力なり、という言葉がありますが、伝統の力を今年も発揮していきたいと願っています。 第65回「明日への手」美術展は、11月から1月までの間に、7会場で順次行われます。 皆様におかれましては、コロナ禍で生活や仕事が制限され、つらい毎日を余儀なくされていることと思います。 皆さま方の忍耐とがんばりに心から敬意を表します。 つらく苦しい生活の中で、ひとときのさわやかな時を、この「明日への手」美術展でお過ごしいただけましたら幸いです。 幼いころの子どもの描いた絵は、もうすごく貴重です。 なぜなら、次の年には、もう同じような絵を描くことはできないからです。 1年で知能や情緒は発達して、次のステージに行き、そこで自分を表現します。 二度と同じ表現はできません。 子どもたちは、一年後には、大人に近づいていきます。 1年前に持っていた子どもらしさを捨てて大きくなっていきます。 翌年もさらに大きくなっていきます。知能や情緒は急成長します。 そしてその発達した分、かつてかわいかった子どもらしさ、愛らしさ、健気さ、興味などを失っていきます。 自分で捨てるのではなく、捨てさせられるのです。 捨てることで、社会に適応していくのです。 捨ててしまった子どもらしさ、二度と戻せない子どもらしさ。 しかし、その痕跡をみることができます。 それは去年描いた絵、昔描いた絵の中に、溶け込んでいます。 今描いた絵は、宝物です。今のその子の心が溶け込んでいます。 そして、その絵が叫んでいます。 「私を見て 私はここよ!」 「これが私よ! これでもいいの?」 「私 苦しいわ~ 助けて~」 「もう いやなことばっかり やってられない!」 「私 くやしいの! 」 「もっとやさしくして~~ ママ かまって~~」 「私って悪い子なのよ! それでもいいの?」 「おれってかっこいいでしょう! ここにいるよ!」 「楽しかった!! 最高だよ!」 「ママは弟ばっかり! もっともっと かまってほしい!」 お父さんお母さんは、絵に溶け込んだ心が発する言葉に、どう答えますか? 心をこめて、「これでいいんだよ! おまえはおまえ 大好きだだよ~~」 「もっともっと話をしようね~~」 お子さんの心をギュギュっと抱きしめてあげてください。 心だけでなく、体もぎゅぎゅとハグしてあげてください。 来年には、この心は無くなります。 そして、ちがうこころが溶け込んでいます。 またそれぞれの心が叫びだすことでしょう。 大事なものを捨てて、だんだんと大人になっていくのです。 大人が展覧会場に展示されている子どもたちの絵をみると、誰もが、なつかしく、甘酸っぱく、苦しく、つらく感じると思います。 それは、かつて子どもだった大人たちが、大きくなるために、大人になるために、無理やりすててしまった、捨てさせられてしまった、大切なものが、ここにあるからです。 子どもたちの心が溶け込んだたくさんの絵を、こころゆくまで鑑賞してください。 これまでの人生が走馬灯のようによみがえるかもしれません。 コロナ禍でもあり、いろいろな制約が会場などにあります。 なんとかなんとか開催することができました。 ご不自由をおかけいたしますが、お時間がありましたら、ご観覧いただけますように願っています。 芸術による教育の会 代表取締役 寺尾 憲 |
2022年11月5日(土)6日(日)
さいたま市文化センター
〒336-0024 埼玉県さいたま市南区根岸 1-7-1 |
2022年11月26日(土)27日(日)
埼玉会館
〒330-8518 埼玉県さいたま市浦和区高砂3-1-4 |
2022年12月3日(土)4日
川口総合文化センター・リリア
〒332-0015 埼玉県川口市川口3-1-1 |
2022年12月10日(土)11日(日)
三鷹市芸術文化センター
〒181-0012 東京都三鷹市上連雀6-12-14 |
前期展2023年1月14日(土)15日(日)
後期展2023年1月21日(土)22日(日)
横浜市民ギャラリーあざみ野
〒225-0012
神奈川県横浜市青葉区あざみ野南1-17-3 アートフォーラムあざみ野 内 |
2023年1月28日(土)29日(日)
シアター1010
〒120-0034
東京都足立区千住3-92 千住ミルディスⅠ番館 11F |
【コロナ対策について】 |
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